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大阪市立大学大学院・創造都市研究科 プロジェクト
創造都市研究科重点研究『創造都市を創造する』(03−04年度)および
大阪市立大学重点研究『創造都市を創造する−扇町創造村構想』(05−09年度

2005年度大学重点研究としての申請と取り組み

【平成17年8月、平成17年度大阪市立大学重点研究に採択されました!】

申請書の計画内容(抜粋)

【研究プログラム名称】『創造都市を創造する−扇町創造村構想』
【研究メンバー】(**研究代表者、*会議委員)
 塩沢由典(**) 総括、外部連携のコーディネーション
 佐々木雅幸(*) 総括補助、創造都市論の国際比較
 小長谷一之(*) 扇町創造村コーディネート、老松町計画
 北原鉄也 創造都市のための都市ガバナンス
 矢作弘 創造都市のための都市再生政策
 小玉徹 創造都市のための都市住宅政策
 前田昇(*) 都市型クラスター創出政策
 明石芳彦(*) 産業クラスターと事業創造
 野口道彦(*) NPOと都市共生社会
 島和博(*) NPOと都市階層
 矢野裕俊 NPOと生涯学習
 古久保さくら NPOとジェンダー
 近勝彦(*) 都市における情報資本の活用
 松田貴典(*) 情報の保護とセキュリティ
 中野秀男 IT都市基盤形成・ユビキタスシティ実証実験コーディネート
 中野潔 都市におけるコンテンツビジネス振興

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【研究プログラムの目的、特色、重要性(新しい知の創造を目指すために、どのような独創的で特色ある研究を行おうとするのか、その目的・特色・重要性について具体的に記載すること。)】

【目的】
 「創造都市」とは、都市が本来もつ新たな産業・文化・ライフスタイル・社会システムを創造する機能が充実した都市をいう。本研究は、メガ・ビジネス都市=大阪都市圏を再生させる取り組みに参画する中で、メガ・ビジネス都市を創造都市に生まれ変わらせるための知識を創出し、大都市圏再生の大阪モデルを世界に提起することを目的とする。
 従来の文献研究型や調査型の社会研究と異なり、本研究は、実務的研究者を養成する社会人向け大学院としての特性を生かした、社会参画型の新しい研究方法を提起するものであり、日本の社会科学として目的・方法ともに画期的・革新的な試みである。以下、具体的な取り組みについて説明する。

【特色】
(1)都市再生のための「実践的な知」の構築
 「メガ・ビジネス都市」大阪を創造都市にするための実践的な政策研究を行い、その社会実験を通じて都市再生のための「実践的な知」の構築をめざす。1)大阪と関西大都市圏を「創造都市」に転換するための理論フレームを明らかにする。中小規模の都市を対象にしてきた従来の創造都市戦略を「メガ・ビジネス都市再生モデル」へと発展させる。商店街を含めた大都市内地域の具体的な活性化戦略を策定する。2)大阪と関西大都市圏に蓄積された産業・技術・文化資産を生かして新しい都市型産業クラスターを形成するための地域戦略・産業政策を研究する。3)伝統的なコミュニティの再生や文化的少数者や失業者、ホームレスの自立支援を進める新たなエンパワーメント型の事業創造を通じて「多文化共生社会」実現のための政策を提示する。4)創造都市を構築するために必要とされる都市基盤として、情報通信基盤のみならず、社会関係資本にも注目し、創造的環境を作り出すための政策を提示する。

(2)扇町創造村構想−大学院が所在する北区の具体的な活性化への参画を通した研究
 個人・機関・自治体と提携し、大阪の具体的な特定の地域において、「創造の場」を創り出す社会実験の企画・実行に参画する。
 本年度1年間の重点研究の計画としては、大学院・創造都市研究科が所在する大阪市北区に重点をおき、北区の総合的な活性化構想として「扇町創造村構想」(「創造都市キタ」を創る試み)の具体化に向けて、多角的なアプローチを試みる。
 「扇町創造村構想」: 創造都市研究科の梅田サテライトが所在する大阪市北区は、大阪市内の芸術文化系の産業の過半が立地する一大集積地である。特に、扇町・梅田・中津を結ぶ3角形を中心とする一帯(クリエイティブ・トライアングル)には、すでに多数のクリエータが住み、各種芸術系専門学校や多数の画廊などが立地している。扇町創造村構想では、実際のクリエータやIT・デザイン系の企業だけでなく、インキュベータ・大学・芸術系学校・商店街・福祉施設・マスコミ・シンクタンク・公的機関・経済団体などと連携し、この地域を創造活動の活発な地域として振興する。
 たとえば、具体的な取り組みとしては、理解と認知→意義付け→運動のフェーズを経て、
 1)シンポジウム「芸術と経済の融合」、
 2)シンポジウム「境界を越える」、
 3)扇町創造村フェスタ、
 4)TV番組制作とその放送、
 5)エディターズ・ハウスなどのトレンドを創出し、
 6)ファッション・ストリートの創造、
 7)観劇とライブの街、
 8)楽しい食文化の街、
 9)回遊性のあるブランド・ショップ街、
 10)作品や原画の町・創造現場の見える街、
 11)シテデザール(芸術家向けアトリエ付きマンション)、
などを発信し、産業と文化を創出するフェーズへと至るなどの例を想定している。このような可能性の研究・検討を行う。

(3)研究者・地域リーダーの育成
 本研究は、現場的「知」の専門家である社会人学生の参加と協力を得て行なわれる。これは、創造都市に関する若手研究者を養成する貴重な機会であるとともに、地域で活躍するリーダーの養成機会でもある。本研究は、実務的研究者を養成する社会人向け大学院の特性を生かした独自のものであり、類似の研究事例はない。研究科の重点研究として本研究を軌道に乗せつつ、研究の指導者の世代交代を図る予定である。

【重要性】
 大阪ないし関西は、すでに50年以上、相対的・絶対的に地盤沈下を続けている。最近では、大阪は、日本で最初に衰退期に入った大都市圏とまで評価されている。この大阪と大阪都市圏を経済活動・社会活動・生活文化においてふたたび活発な都市ないし都市圏とすることは、設置者を大阪市とする本学が取り組まなければならない課題であり、使命である。大阪都市圏を現実に創造都市に転換しようとする本研究の重要性はいうまでもない。
 世界には、大阪と類似して、衰退の危機に瀕する大都市が少なくない。将来、そのような危機に瀕する可能性のある都市は、途上国の大都市を含めてさらに多数ある。本研究の成果は、世界のそのような都市に貴重な先例を作りだすことになる。創造都市研究科は、「創造都市」を冠する世界で始めての研究科であり、その試みはすでに日本のみならず、世界的にも注目されている。本学が、創造都市研究の世界的中心となることも夢ではない。
 本研究は、たんに調査し政策を提言する研究ではなく、大阪都市圏を活性化させる運動に実際に参加し取り組む中で、都市再生の新しい知見を獲得・創出することを目指している。このような研究方法は、これまでほとんど試みられことのない新しい方法である。社会科学の方法としては、文献研究と調査研究に次ぐ第3の研究方法といってよい。この点では、本研究は学問的革新を起すものであり、社会研究の新しい方法の発信地として、本学が注目されることになろう。この経験に学ぶために世界各地の研究者や実践家たちが本学を訪問する機会も増えるであろう。これは学生の教育に寄与するばかりでなく、こうした交流を基盤として、さらに大きな学問研究を展開する基礎にもなると思われる。

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【研究内容】

 (1)以下の調査・研究・政策提言を行いながら、そのプロセスの中で、地域・行政・NPO・企業と協働で、「扇町創造村」運動を企画・具体化していく。

A[北区商店街活性化プロジェクト]
 創造都市研究科はすでに、本年6月末に、(財)大阪市北区商業活性化協会と「創造都市実現のための包括提携協定」を結び、地域活性化のための調査・研究を推進することを決定している。北区には古い歴史文化遺産や個性的な商業集積があるが、それを活性化するための調査研究と提言を行い、地域貢献・還元を行う(参考資料10)。

B[クリエイティブ・クラスタープロジェクト]
 扇町創造村構想における扇町・南森町・天満などの街区は、IT・デザイン・印刷などの事業所の大阪市内における3大集積地(他は新大阪、心斎橋)の一つであり、その中心にあるメビック扇町では、扇町クリエイティブ・クラスターという概念を提唱している。インキュベーション施設の役割と、都市型産業クラスターとしてのクリエイティブ・クラスター形成のための企業のネットワークを調査・研究し、政策提言する(参考資料1)。
 有名なマイケル・ポーターの産業クラスター理論は、100キロ近い都市圏の範囲を想定しており、自動車で移動するアメリカの環境における概念である。しかるに、我が国ではさらにフェイスツーフェイスの人間的コミュニケーションが重要で、都市内の数キロ四方の、都市型クラスターとも言うべき産業集積が重要な役割を果たすと考えられる。

C[大淀寮の創造的拠点化の可能性研究プロジェクト]
 北区天神橋には大阪市の福祉施設大淀寮がある。創造都市形成のためには、さまざまなグループの人々が共生し、クリエイティブなアイデアを出して都市問題を創造的に解決する環境づくりが不可欠である。大淀寮を中心に、市内のNPO的団体とも連携しながら、こうした都市共生社会の形成を調査・研究する(参考資料8)。

D[老松通表参道計画プロジェクト]
大阪では珍しいアート街区である老松町は、現在土地利用的な転機を迎えていると同時に、天神の落語専門寄席(天満天神繁盛亭)建設計画など活性化の契機にある。ここをふたたび表参道としてよみがえらせるための調査・研究・提言を行う。

E[北区の芸術系学校と連携したコンテンツ産業育成計画プロジェクト]
大阪市北区は、芸術系学校も多数集積している。これらと連携して、既存の社会科学の理論的成果を動員して、その基盤提供と経済社会的評価の両面から、デジタルコンテンツ市場創出のための社会実験を行う(参考資料4)。

(2)「創造村」国際シンポジウム(2月末)の開催を今年度の総括的目標とし、それに向けて各シンポジウム・調査研究を進め、最終的に成果を出版する。
 1)各プロジェクトに関連して、大阪市計画調整局・経済局・ゆとりみどり局、大阪青年会議所、など関係機関と連携し、シンポジウムを開催し研究を進める。
 2)(財)北区商業活性化協会等、関係機関と連携する調査研究も進める。
 3)大阪市等が主催する国際シンポジウム「新都市の時代−創造都市を創出する」の開催(12月)に協力する。
 4)世界各都市における代表的な創造拠点から事業リーダー、政策担当者、研究者などを招いて、「創造村」国際シンポジウム(2月)を開催する。
 5)以上の成果をまとめた冊子を刊行する。

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【これまでの既存の研究実績・一部添付資料】

 1)『アート拠点調査』(アートのまちづくり研究会)
 2)『ロボテク創造都市研究会活動報告書』(RT創造都市研究会)
 3)「芸術都市キタを考える」
 4)『アート拠点調査U』(アートのまちづくり研究会)
 5)『新産業創造都市研究会活動報告書』(新産業創造都市研究会)
 6)『国際創造都市比較研究会活動報告書』(国際創造都市比較研究会)
 7)『東アジア市民社会研究会活動報告書』(東アジア市民社会研究会)
 8)『失業者の生活支援プログラム−釜ヶ崎支援機構の事業計画の展望』
 9)国際シンポジウム「創造産業クラスターの国際比較」(国際シンポジウムの記録)
 10)『創造都市実現をめざす包括提携協定』((財)大阪市商業活性化協会と創造都市研究科)

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【これまでのシンポジウム関連資料】

 1)「クリエータの聖地をつくる」
 2)「大阪はロボットで甦るか!産業創造都市への挑戦」
 3)「大阪を創造都市とするには」
 4)「大阪経済活性化討論会」

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【外部評価(本研究プログラムを判定するにあたり、参考となる外部評価などがあれば記載すること。(印刷物等の場合は添付してください。))】

 Charles Landry 氏からの推薦書を添付する。
 Charles Landry 氏はイギリスのシンクタンクであるComediaの代表であり、
 著書 "The Creative City" によって、創造都市論の提唱者として世界的に著名である。

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